このページでは秋田県診療放射線技師会で開催されたイベントに関する報告を掲載しています。
過去の報告も収載していますのでご覧ください。
令和3年度 県主催事業
学術セミナー
令和3年度
技師会のセミナーにおいて、学術的な事項を取り扱う機会が少ない中、56名と多くの参加があり関心の高さが窺われた。一方で、参加者の内訳を見ると、経験10年以上、かつ演題発表の経験がある方の割合が6割以上であり、今後は初学者の掘り起こしが課題と考える。
抄録作成のレクチャーでは、構成する項目について基本的な考えを解説した。目的は取り組みのきっかけとその意義を述べるものであり、結論は目的と強い結びつきを持つものである。また、その過程にある方法は、取り組みの手法を丁寧に述べるものであり、結果はその答えである。こうした基本的な考えを念頭に置く事は、学術活動の進め方にも活かされると考える。来年度以降の秋田県診療放射線技師会学術大会などで活かされる事を期待したい。
モダリティごとの応用レクチャーでは、日常業務の課題をデータ収集から学術的に考察する流れを解説した。通常の検査プロトコールにおける画質向上や被ばく低減と言ったタスクでは、ファントム撮影によって得られたデータの分析で傾向を探ることが一般的である。また、過去の臨床データを後向きに解析することも同様である。こうした数多くのデータを用いることは客観的な結果を得ることに繋がり、主観に頼らずにより良い傾向を見つける事に役立つ。今回は各モダリティ4名の演者に、それぞれの経験などをもとにわかり易く解説を頂いた。難しいテーマであったがよく纏められており、事後アンケートにおいて参加者の満足度も高かった。演者の方々にはお礼を申し上げたい。
学術演題は降って湧くものでは無く、日々の業務における視点の置き方と取り組みによるものと考える。特に未経験者には、レクチャーの内容を参考に自発的な取り組みを始められて、成果を発表される事に期待したい。
文責 大村知己
学術セミナー 過去の開催報告
令和2年度 | 令和元年/平成31年度 |
平成30年度 | 平成29年度 |
生活習慣病検診従事者講習会
令和3年度
令和3年度の生活習慣病検診従事者講習会を令和3年11月27日(土)の14時より、国内でのCOVID-19の感染は減少傾向にありますが感染防止拡大のため、ホテルメトロポリタン秋田を配信元としてweb開催させていただきました。参加人数は前回を上回る29人となり、機材等のトラブルもなく順調に開催することができました。
講習内容としてはまず情報提供ということで伏見製薬株式会社の門脇大輔先生より「大腸CT検査について」の講演をしていただきました。大腸CT検査をより信頼性の高い検査にするためにも便標識(Fecal Tagging)が必要であり、これを行うことにより腸管内残渣と造影剤を混和して残渣のCT値を高めることができる。この効果によって腸管組織、病変と残渣の識別性が高まり、腸管内残渣を取り除かなくても精度の高い検査が可能であることを説明していただきました。
次に一般講演として秋田県健康福祉部 健康づくり推進課 がん・生活習慣病対策班 主幹兼班長の寺内淳一先生より「秋田県のがん対策について」の講演をしていただきました。秋田県はがんの死亡率が高く健康寿命も1位の山梨県と比べても20年も差があるほど低いということで、もっと健康寿命を上げるためにも「健康秋田いきいきアクションプラン」という活動を進めている。がん予防(1次予防)としてたばこへの対策として健康増進法の改正と秋田県受動喫煙防止条例の内容を交えて「受動喫煙ゼロ そして禁煙」の事業推進などを進めている。そして、がん予防(2次予防)として、がん検診の重要性と「第3期秋田県がん対策推進計画」として令和5年度末までに受診率50%を計画しているが現状は10%であるため受診率向上にむけての取り組みを行っていることなどについてお話していただきました。
最後に特別講演としまして公益財団法人 宮城県対がん協会所長の加藤勝章先生より「読影補助のためのカテゴリー判断の基礎知識」について講演をしていただきました。胃X線検診において検診読影は精密読影と違い所見をカテゴリー選択で表明できる。局所所見の良悪性判定はカテゴリー1~5にわけることができ1~3aは良性、3b~5は悪性である。良性でも2ではなく3aなのかをどう判別するかは要医療にすべき良性疾患がわかること、3bは実質的な良悪性の境界であることなど病変所見を胃X線画像と内視鏡画像などで比較し、各所見における抑えるべきポイントを丁寧に説明していただきました。また、放射線技師がチェックした所見にカテゴリー判定を付記してレポートを提出できれば読影医師の補助ができる。カテゴリー判定を使いこなすためにも、日々の業務において撮影や読影をやりっ放しにしない事などとても有用なお話しをしていただきました。
最後に雪もちらつく寒い中会場にお越しいただきました先生方、座長を担当された委員の皆様、関係各所の方々のご尽力に感謝いたします。
文責:栁原
生活習慣病検診従事者講習会 過去の報告
乳房撮影技術研修会
令和3年度
コロナ渦での開催が2度目となり、今年もWeb開催されました。視聴する側はだいぶ慣れてきて、ビデオのON/OFFやミュートの使用法、またチャットによる質問など浸透してきたように感じます。研修会直前に音声トラブルがあり、定刻を過ぎてからの開始となってしまいましたが、研修会開催中がトラブルなく進められてほっとしています。
今回の研修会の内容は大きく二つで、ひとつは昨年改定された「DRLs2020の解説」です。改定直後の第二回放射線安全管理セミナーで発表された内容と同じでしたが、多くの方に視聴してもらうことで、自施設での線量評価や最適化に役立てていただけることと思います。
内容の二つ目は金田悦子先生のご講演「体験から伝えたいがん患者のこころとからだ~リンパ浮腫を中心に~」です。以前にもオファーしたことがあったのですが、スケジュールが合わずに実現しませんでした。リンパ浮腫に関して放射線技師はなかなか深く知る機会がなかったですし、「体験から伝えたい」の題名に貴重なお話が伺える予感がしました。患者さんが治療のつらさで行き詰っている閉塞感や先行きが見通せないことの孤独に関して、今までは字面だけで覚えていましたが、コロナ渦が長引いていることによってそれらを想像できる自分になっていることに気づかされました(程度の違いは置いといて・・・)。閉塞感や孤独、自暴自棄、失望、疲弊の状態の患者さんの隣に腰かけて傾聴することが、いたわりの声をかけることが、目線を合わせることが、気遣いのしぐさをすることが、患者さんの救いになるそうです。マンモグラフィに限らず攻撃的な患者さんは一定数いらっしゃると思います。その方たちがなぜ臨戦態勢なのか掘り下げて考えると、不安や孤独、恐怖を抱えているのではないかと感じることがあります。がん患者さんだけでなく、攻撃的な患者さんに対しても、心で対応することが求められているのだと思います。
今回の講演後に、金田先生は「話をする機会を与えてくれてありがとう」と感謝の気持ちを述べられていました。自身の体験を伝えることで、多くの医療従事者が心を揺さぶられることを期待しているのだと思います。私も襟を正して今後の業務や接遇に生かしていこうと思います。
記 髙橋
秋田CTテクノロジーフォーラム
放射線安全管理セミナー
令和3年度 第1回
令和2年度から引き続きWeb研修会として、令和3年6月12日に研修センターにおいて令和3年度第1回放射線安全管理セミナーが開催されました。研修センターでは3密をさけ、感染に配慮し十分な換気の元で行われました。今回は43名の募集に対し、講演の配信を行いました。リモートでのセミナーも回を重ねるたびに慣れ、ほぼトラブルなくスムーズに配信することができたのではと思います。
今回の研修内容ですが、眼の水晶体の被ばく限度の見直しが行われた電離則改正の内容を中心にセミナーを開催いたしました。
まずは医療法に基づいた診療用放射線の安全利用のための指針運用に関するアンケートの報告をしていただきました。各施設における運用に向けて、管理業務に役立てていければと思いました。
続いて、シンポジウムとして、電離則改正についての現状を3施設より報告していただきました。各施設における線量管理、防護の現状について知ることができ、どのような対応をしていけばよいか、会員の皆様にも情報提供できたのではと思います。演者の皆様においては、頂いた質問について解説と解釈を丁寧にしていただいたことで、理解を深めることができたと思います。各演者の方々におかれましてはご協力いただき誠にありがとうございました。
特別講演では、竹井泰孝准教授より「眼の水晶体に係る放射線防護の在り方」というテーマでご講演いただきました。電離則改正に伴い見直された水晶体の防護について非常にわかりやすく解説いただき、防護の必要性、重要性について理解が深まったように思われます。
コロナ禍もまだまだ落ち着く兆しが見えず、Web形式でのセミナー、講習会が多いことと思います。今回、多数の会員の皆様にWeb形式のセミナーに参加していただくことができたことは、これからの事業展開に向けて良い機会であったと思います。今後とも、会員を始め県民の皆様の力となれるよう鋭意工夫し取り組んで参りたいと思います。
文責 畠山
令和3年度 第2回
令和3年度第2回放射線安全管理セミナーを令和3年12月18日(土)にNewテラス広小路を発信元としたハイブリット開催で行いました。Newテラス広小路では3密を避け、感染対策をしっかり行ったうえで会員37名に対しWeb配信を行いました。
この度は「改正省令の実施促進」をテーマとしてセミナーを開催することになりました。
2020年度の秋田県診療放射線技師会のアンケート調査から見えてきた課題として「医療研修に対する参加率向上に関する文献的考察」では方向性が一緒であれば受講率が向上し、モチベーションやプロ意識の問題が大きく影響していると示唆されました。
シンポジウムでは改正省令における患者への情報提供として被ばく相談員のいる2施設から現状報告していただきました。DRLs2020を活用して自施設の被ばく線量を提示した上で患者さんに説明するために同意書の中に盛り込んだり、説明用のパンフレットを作成したり様々な工夫をしながら対応されていました。放射線検査に係る職員に対して被ばくの情報提供や累積線量等が今後の課題であるとのことでした。
昨年に引き続きおさらいとしてCT・IVRの線量管理について各項目の線量測定、校正方法等をわかりやすく解説して頂いたことでより理解が深まったように思います。
各演者の方々におかれましてはご協力いただき誠にありがとうございました。引き続き会員の皆様へ情報提供、共有の場となるよう努めて参りたいと思います。
文責:伊藤
放射線安全管理セミナー 過去の開催報告
医療画像情報研修会
令和3年度
令和3年9月18日(土)14:00から医療画像情報研修会が技師会研修センターを発信元にWebで開催されました。
今回は、AI(人工知能)の分野で一般化しているプログラム言語「Python」の基本についての講演とその活用事例についての会員発表、医療情報分野の視点から被ばく線量管理を考えることをテーマに行われました。
初めに北海道情報大学の上杉教授より「Python」でのプログラミングについて基本から非常にわかりやすく解説していただきました。プログラミングと聞いて難しそうと思っていたのですが、基礎の基礎から詳しく解説いただき、プログラミングでどのようなことが行われていて、それがどのように書かれているのか理解を深めることが出来ました。
次に「Python」をどのように活用しているのか2名の会員より会員発表していただきました。
Deep Learning研究、台帳作成の効率化のために「Python」を活用することで技師の仕事の負担を軽減することができ、時間の有効活用ができていると感じました。
後半は、東北大学病院の坂本先生よりDICOM規格と線量情報について講演いただきました。
現状とこれからについて詳しく解説していただき、線量管理について改めて考えることが出来ました。また、これからどのような対応が必要になっていくのか会員の皆様に情報提供できたのではと思います。
コロナ禍もまだまだ落ち着く兆しが見えず、Web形式でのセミナーや研修会が多いことと思います。今回は自宅からWeb参加しましたが、大きなトラブルもなく研修を終えることが出来ました。
AIと聞いて難しい分野と思っていましたが、基礎から学ぶことができて簡単なことからでも触れていけたらと思いました。また、線量管理についてはこれから自施設でどのようにしていかなければならないのか部署内で検討していかなければいけないと思いました。
JCHO秋田病院 畠山 翔
マネジメント研修会
放射線医療画像展
のしろ産業フェア
母の日キャンペーン
救理ソリューションカンファレンス
その他の報告
令和3年度 支部主催事業
県北支部
令和3年度 ナイトセミナー
県北支部ナイトセミナーが9月10日(金)18時30分に開催されました。昨年同様COVID感染拡大防止のためWebで行われ、平日開催でしたが41名が参加されました。テーマは『被ばく管理』で県北支部5つの施設から線量管理、職業被ばく管理など自施設の紹介や運用方法、課題点を発表されていました。
医療法施行規則改正により放射線診療従事者に対する診療用放射線の安全利用のための職員研修の実施、放射線診療を受ける者の当該放射線による被ばく線量の管理及び記録その他の診療用放射線の安全利用のための方策の実施等が改正になりました。改正内容の職員研修の実施内容、研修参加率を上げるための工夫を各病院が発表していました。被ばく線量の記録はモダリティごとに記録項目を決め、線量をRISに入力して運用を行っている施設もありました。また一般撮影、CT、透視、IVR、RI等の線量をDRLs2020と比較検討している施設も多く、DRLs2020と比較して線量が高ければ線量を低減する検討が必要で、比較した線量が低かった場合では、画質の担保が適切かを検討する必要があるとのことだった。
電離放射線障害防止規則の改正により放射線業務従事者の眼の水晶体に受ける等価線量限度の引き下げ等が改正されました。各施設でポケット線量計の管理や使用方法(不均等被ばくの測定)、線量計を校正に出す時の運用方法、データ管理を紹介していました。またビジョンバッジ着用位置(方向依存性を考慮)やビジョンバッジを医師に着用してもらうための説明や運用法を発表されていた。
発表後のディスカッションはWeb開催ということで心配されましたが、チャットを利用して活発な意見交換が行われました。今回のセミナーで学んだことを日常業務に活かしていきたいです。また開催様式をWebにしたことで中央支部からの参加もあり非常によかったと感じました。
文責 熊谷
中央支部
令和3年度 ナイトセミナー
今回は、医療被ばくの低減と適正化をテーマに、ナイトセミナーを開催した。線量管理の義務化,DRLs2020の公表なども相まって参加人数が57名に達し,この領域に関する関心の高さが伺えた。
前半は,日本診療放射線技師会が認定する被ばく低減施設について,現在取得に向けて準備を進めている秋田厚生医療センターの皆さんから,ご発表を頂いた.認定取得の目的は,法令に即した技師の育成,最適化設定の定期的見直し,医療被ばく適正化のための情報提供であり,取得のための要件を解説頂いた.また,各モダリティからは,取得のための改善例をご紹介頂いた.
一般撮影とCT部門では,問題点として挙げられた自施設のデータ整備は臓器被ばく線量の算出で対応,ガイドラインとの比較はDRLsとの比較で対応するとのことであった.透視・IVR部門,および核医学部門では,行為の正当化,防護の最適化に沿って,患者被ばくの最適化における様々な取り組みの詳細を解説頂いた.
取り組みの他に重要なものとして,スタッフ間での情報共有を挙げられていた.これは被ばく低減施設認定に限った話では無く,全施設に共通することである.担当者・責任者だけの取り組みでは効果が限定的であり、施設全体で意識を高めることが効果的な被ばく低減に繋がり,施設認定も可能にすると考える.
後半は被ばくと画質に関連した内容の報告であった。工藤会員からは診断参考レベルの概念を解説頂き、線量、つまり数値だけではなく、画質と診断目的の整合性の重要さも解説頂いた。石川会員からは、自施設での腹部CT検査について、DRLs2020からの撮影条件の見直しに至る取り組みをご紹介頂いた。見直し後の運用からまだ日は浅いが、取り組み方法の至適さから、今後の被ばく線量の適正化にも期待ができると感じた。廣川会員からは、心筋SPECT検査における投与量について、DRLs2020をもとに見直しを行った取り組みについて報告頂いた。投与量を患者体型に沿って細かく設定し撮像条件を見直す事で、画質を変えずに投与量の適正化が可能と報告された。核医学領域では、従来からファントムによる画質評価を多施設で行っている。細かな投与量設定では画質の普遍さがネックとなりがちだが、ファントム評価結果をツールとすることで画質調整もしやすいのではないかと考えられた。
文責 大村知己
中央支部 事業 過去の開催報告
総会 学術大会 | ナイトセミナー 第1回 | ナイトセミナー 第2回 |
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令和2年度 | 令和2年度 | 令和2年度 |
令和元年/平成31年度 | 令和元年/平成31年度 | 令和元年/平成31年度 |
平成30年度 | 平成30年度 | 平成30年度 |
平成29年度 | 平成29年度 | 平成29年度 |
県南支部
令和3年度
10月1日(金)18時よりWeb開催されました。平日の業務終了後でしたが、29名の会員の参加がありました。
はじめに情報提供ということでマンモグラフィ装置selenia Demensionsの装置特徴について高橋かつら会員より発表していただきました。指紋認証での技師登録や撮影条件の過去歴参照など便利な機構が搭載されているようです。
続けて「日常臨床でのMRIの工夫や知って欲しいこと」のテーマで、講座と工夫に分けて発表が行われました。
講座は「MRIの基礎」大曲厚生医療センターの戸嶋卓也会員から発表していただきました。新人教育用とのお話でしたが、限られた時間の中で十分すぎるほどの内容でした。
工夫は2施設より発表がありました。「当院で行った非造影上肢MRA~撮影法と反省点~」について雄勝中央病院の藤原康陽会員が発表されました。撮影前後に試行錯誤したことがよく伝わりました。結果は今後の検査に大いに生かされていくものと思います。「意思疎通不可患者における画質安定化を目指した腹部MRIの運用」について市立角館総合病院の千葉大志会員が発表されました。意思疎通の種類分けとシーケンスの組み合わせをしたところが大変ユニークだと感じました。
県南では久々の学術についての研修会でしたが、内容に基礎と工夫の両方を盛り込んだことで、多くの方に興味を持っていただけたのではないかと思います。
文責:高橋
県南支部学術研修会 過去の開催報告
総会 学術大会 | 第1回 | 第2回 |
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令和2年度 | 令和2年度 | 令和2年度 |
令和元年/平成31年度 | 令和元年/平成31年度 | 令和元年/平成31年度 |
平成30年度 | 平成30年度 | 平成30年度 |
平成29年度 | 平成29年度 | 平成29年度 |